導入:仮定法未来
未来に対する仮定はIf節の起きる可能性によって形が4種類に分かれます。
例文❹はIf節の起こる可能性が高いと考えられており、これはもはや「仮定」の領域を脱して「条件」であると考えることとなります。その時のIf節の動詞は現在形で表します。すなわち、ここにおいて時制で学習したルール「(時・)条件を表す副詞節は未来のことでも現在形」と結びつくこととなります。
もちろん主文に使う助動詞は未来形(will,may)です。
・・・・・・・・ 一方、可能性が(ほぼ)ゼロの場合は、if節は were to の形とります。
・・・・・・・・・ そして、これがややこしいのですが、
If節の起きる可能性が分からない(?)の場合、if節の助動詞は一律にshouldを使いますが、
主文の助動詞は主文の主語の思いにより変わります。
if節の起きる可能性が高いと考えている場合 → will・may(=例文❹タイプ=本来の未来形)
if節の起きる可能性が低い(ゼロ)と考えている場合 → would・might(=例文❶タイプ)
となります。
冒頭の一覧表をみて感覚をつかんでください。
以下の説明は、冒頭に掲載したイメージ図の配置順にしています。
★★★★★★★
❹例文
If it rains tomorrow ,I will stay home.
もし明日雨がふれば(可能性大)、私は家にいるだろう。 if節:可能性大 → 仮定というより → 条件へ=時制は「現在形」で 主節:未来のことなので → 時制は「未来形」で
★★★★★★★
「if節の起こる可能性が分からない(?)」とき、if節は should で決まりです。
そして主文に使う助動詞は主文の主語の「思い」にあわせて未来形・過去形のどちらかを選びます。
可能性が高いと考えている → will
可能性がほとんど無い考えている → would
If S should V原形 ・・, S will V原形 ・・.
If S should V原形 ・・, S would V原形 ・・.
*will・wouldにはmay・mightも可
❸例文
If it should rain tomorrow. I will put off the barbecue party.
もし明日雨がふれば(可能性?)、私はそのバーベキューパーティーを延期するだろう。
*主文がwill → put off の可能性を高く考えている。
❷例文
If it should rain tomorrow. I would put off the barbecue party.
もし明日雨がふれば(可能性?)、私はそのバーベキューパーティーを延期するだろう(延期する可能性は低いが)。
*主文が would → put off の可能性を低く考えている。
★★★★★★★
「if節の起こる可能性が(ほぼ)ゼロ」のとき、if節は were to V原形 で、主文に使う助動詞は過去形 で決まりです。
If S were to V原形 ・・, S would V原形 ・・.
*主語が何であっても「were to」です。 * would には might も可
❶例文
If I were to be born again I would like to become a English teacher.
もし生まれ変わるとしたら、私は英語の先生になりたい。
練習問題
適語選択しなさい。(答えは まとめ の最後に掲載) If something ( ) happen, call me. ①might ②should ③would ④could
仮定法ifの省略
今まで見てきた仮定法には全て「接続詞 if」がありました。しかし、「if(もし)」という語句は日本語では省略しても意味はわかります。「~なら、~だったら」とさえあれば仮定の話であると日本語ならわかります。
では英語はどうでしょうか。
次の英文を見て考察してみましょう。
If I had known about your illness, I would have visited you.
もし私があなたの病気について知っていたら、私はあなたをお見舞いしただろうに。
この文章から「If」を省略してみましょう。
I had known about your illness, I would have visited you.
何となくわかるような気がしますが、文法的にはNGです。 1つの文の中に完全文が2つあり、接続詞という交通整理役がやっぱり必要です。
ここでネイティブは諦めませんでした。 if を省略した場合、「省略してあるよ」という合図をつくればよい、となったわけです。
そして、「正常な語順を変えてやればそれが合図だよ」となりました。
これを「倒置」と言います。
具体的には ifを省略後、were や had などの(助)動詞を主語の前に出して「倒置」させるのです。
If I had known about your illness, I would have visited you.
もし私があなたの病気について知っていたら、私はあなたをお見舞いしただろうに。
Ifを省略するなら 倒置させる。(過去完了の倒置)
Had I known about your illness, I would have visited you.
あと3つ例文を見てみましょう。
If I were rich, I could buy the car.
もし私がお金持ちだったら、私はその車が買えるのに。
Ifを省略するなら 倒置させる。(現在完了の倒置)
Were I rich, I could buy the car.
If anything should happen, please let us know immediately.
もし何かが起きたら、我々にスグに知らせてください。
Ifを省略するなら 倒置させる。(未来完了・可能性?の倒置)
= Should anything happen, please let us know immediately.
*anythingは単数扱いである。
*助動詞+動詞の場合は、助動詞を先頭へ配置する。
If I were to tell you all the story of my life, one week would not be enough.
もし私が君に私の人生の全てを話すとすれば、1週間でも十分でないだろう。
Ifを省略するなら倒置させる。(未来完了・可能性ゼロの倒置)
= Were I to tell you all the story of my life, one week would not be enough.
まとめ
まとめ
今回は仮定法(2)として「仮定法未来」と「接続詞ifを省略」したい場合はどのようなルールがあるか、を学びました。
If節が起こる「可能性に応じて」形が変わること。
可能性が大きい場合はもはや仮定ではなく「条件」となる。
ここにおいて「時や条件を表す副詞節では、未来のことでも現在形」という時制のところで習った文法と出会うこととなりました。
ifを省略した倒置文もしっかり理解をし、気に入った例文を口ずさみ、リスニングでも判別できるようになりましょう。
それではまた。
練習問題の答え
If something ( ②should ) happen, call me. もし何かが起きれば、私を呼んでください。(電話してください。) ①might ②should ③would ④could 〔 解説 〕 if節で助動詞が使えるのは仮定法・未来でその起きる可能性がわからない(?)時の⦅ should ⦆だけである。 主文は問題文のように命令形で完結してしまう場合もある。