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付帯状況 : 「 with ~ing 」は正しい??

付帯状況 「 with ~ing 」ってありそうだけど

Ben
Ben
しゅんクン、質問だけど、「付帯状況」を表すとき、withがよく使われるよね。
その時の形だけど、「with~ing」っていう形は使えたかな?

しゅん
しゅん
~しながら ってヤツですね。アリです!

 

まず結論から : with ~ingという表現は誤りです。

Ben
Ben
そっかあ。一見ありそうなんだけど、実はそのような表現は存在しないんだよ。

じゃあ今日はこのテーマについて追求してみよう。

結論から言います。

「 with ~ing 」  このような表現はありません。

理由

withと~ingの間に名詞の存在が必要だからです。
「with +名詞+ ~ing」の形である必要があります。

そして、その名詞は「主語とは異なる名詞「(分詞の)意味上の主語 )」である必要があります。

 

付帯状況を表す形はどんなものがあるか

大まかな分類

「 with ~ing 」このような表現は無い、と答えが先に出ました。

ただ、これではまたすぐ忘れてしまいます。

ここからは広い視野で考察を進めて、
そして再度「 with ~ing 」このような表現は無い》という結論を得たいと思います。

付帯状況「~しながら」「そして~」の表現の仕方はいろいろあると思いますが、
構文としては分詞構文とwith構文の2つです。

付帯状況のパターン

❶-1: 分詞構文 (❶-2の独立分詞構文を除く)
❶-2: 独立分詞構文 (主従 主語が異なるもの)

❷ with構文 

 *❶-2: 独立分詞構文 とは、分詞構文 の中の1パターンで、主節従属節主語が異なるときのパターンです。

上記の2パターンを見て大切なことは、

すぐに頭の中に思いついてしまう❷ with構文 を使わなくても 
❶-1,❶-2の「分詞構文」で「付帯状況」を表現することができる

ってことを認識することです。

日本人の語感に「付帯状況」というテーマには「with」がぴったりマッチしてしまうため、withだけ が頭に残ってしまいがちになりますが、そればかりではないのです。

具体的構成を見てみる

 

Ben
Ben
分詞構文はいずれ詳しく取り上げたいと思いますので、
ここでは❶-2: 独立分詞構文 ❷ with構文 の構成を見ることにします。

<付帯状況を表す構文の構成>

(ここでは「分詞の場合」にズームしています。)

❶-2: 独立分詞構文

  S+V, S’+分詞 (後半が独立分詞構文の場合)

       *S ≠ S’
    * S’ 分詞の主語(=意味上の主語)である必要がある。


❷ with構文・・with は前置詞です。

with

+名詞
*1

+ 分詞 (~ing)
(~ed)
+ 形容詞  *2  
+ 副詞句  
+ 副詞  

*1 分詞が後続する場合、この名詞は分詞の主語(=意味上の主語)となっている。
*2 名詞 +( being )+ 形容詞 → ( being )は省略される。

———-

この表の中で名詞 + 分詞」の部分は実は❶-2: 独立分詞構文なのです。

ですので、❷ with構文の中の一部は

 with + 名詞 + 分詞
=with + 独立分詞構文

となって、

❶-2: 独立分詞構文を含んでいることを認識してください。

Ben
Ben
独立分詞構文の側から表現しますと、

独立分詞構文を使って付帯状況を表すとき、withを付けることが多い、という言い方もできます。

ですが、withを付けないときも普通に有りです。

withを付けなければ → 独立分詞構文
withを付ければ → with構文

例文

題材文 を使って比較してみましょう。独立分詞構文が実質含まれていることを確認してみよう。

She talked to me, and then her hair was flying in the wind.
彼女は私に話しかけてきた、そしてその時彼女の髪は風になびいていた。

【❶】独立分詞構文
【❷】withを使った付帯状況

まず、【❶】独立分詞構文 にしてみます。

She talked to me, her hair being flying in the wind.

↓flyingは現在分詞で、beingが前についていなくても(=省略)されていても意味は分かるので

She talked to me, her hair flying in the wind.
           S’ [名] + 現在分詞

独立分詞構文完成しました!


次に【❷】withを使った付帯状況 の文にしてみます。

簡単ですね。
独立分詞構文の「,」を「with」にするだけです。

She talked to me with her hair flying in the wind.

結果を再掲して比較します。

<独立分詞構文>
She talked to me, her hair flying in the wind.

<with構文>
She talked to me with her hair flying in the wind.

結論

,」と「with」の違いだけでした。

つまり 「with」以後は「独立分詞構文」と同じになります。

❶-2: 独立分詞構文 , 独立分詞構文

❷ with構文with + 独立分詞構文

再結論

付帯状況「with ~ing」の形は存在しません。

👆
with+独立分詞構文だから
「with +名詞+ ~ing」となる名詞の存在が必須となる。
( 名詞は~ing(分詞)の意味上の主語である必要あり。)

Ben
Ben
ちなみに、名詞のところに「動名詞の主語」がきたらwith ~ingという形があるのかもしれません。

ですが、いまのところそのような文は見たことがありません。

では、without ~ing はあるか?

では、without ~ing はあるか?


without ~ing」は有り
 (ただし、これはもちろん分詞構文としてではなく、withoutの語法として)

まとめ


with ~ing → ありえない。
without ~ing → 有り

with構文を使って付帯状況を表したいのなら次の形が必須です。

「with +名詞 + ~ing」
名詞は~ing(分詞)の意味上の主語である。

with構文には独立分詞構文が内在しています。

逆に言えば、
独立分詞構文の立場から見て付帯状況を表すとき、withを付けることが多い。
ですが、withをつけないことも有りです。

withを付けなければ → 独立分詞構文 形は→ , 独立分詞構文
withを付ければ → with構文      形は→ with + 独立分詞構文

ただ、with構文は、上記表のように「with+独立分詞構文」ではない 別の形(従属文がS’+V’となっていない形) もありますので注意してくださいね。

何気に勉強していますと、必ずといっていいほど間違える項目です。
しっかり文法、語法を認識しておきましょう。

 

しゅん
しゅん
わかりました!

ABOUT ME
Benタロサ
サラリーマンを経て、小さな学習塾を開校。英語は日常触れる機会が少ない生徒にとっては、地道な努力が必要とされる教科だと思います。せっかく勉強してもすぐに忘れてしまうことになりかねません。少しでもお役にたてるように、わかりやすさを心掛けて記事を書いていきます。内容はアットランダムな順番になります。少しずつの積み重ねで、ゆくゆくは分厚いサイトになればと夢見ています。