導入
2021年度の教科書改訂により、中学においても「仮定法」を学習することになりました。
仮定法とは「現実とは異なることを仮定する」用法です。
中学の内容は wish と if を使って表現していきます。
頑張って勉強していきましょう!
仮定法とは
仮定法とは
❶「・・であればよいのに」と現実とは異なる願望を表したり、
❷「(もし)・・であれば~だろう(に)」と現実とは異なることを仮定して言う
ときに使う表現方法をいいます。
時制を変えることによって (=現在のことでもあえて過去形を使ったりして) 相手との距離感を作り出すことにより、丁寧さや現在との隔たりを作り出します。
依頼表現で
Can you・・?
↓ 丁寧に依頼
Could you・・?
が良い例です。
could は can の過去形ですが、この場合は過去時制を表しているわけではありません。
(文意によって、もちろん過去時制を表すときもあります。)
☆
今から学習する「仮定法」も「過去形」を使っていきます。
そうすることで「現実にはありえない事柄」について表現することができるようになるのです。
中学で学ぶ2つの形
I wish (that) ・・
「・・であればよいのに」と現実とは異なる願望を表すときは次のように表します。
I wish(that) + S+ were
I wish(that) + S+ (助)動詞の過去形 + 動詞の原形
*動詞がbe動詞の場合、主語(S)の人称にかかわらず、wereを使います。
あらかじめ知っておきたい「助動詞の本質」
助動詞の本質 ⇒「話者の気持ちを表す品詞」である。
特に仮定法では、助動詞を過去形にすることにより、「非現実的な仮定の話であるよ」と、現実と識別させ、そこに話者の気持ちを織り込ませます。
また、仮定法でなくても、丁寧さを出したり、ニュアンスを弱めたりするために使われます。
・
勘違いしてしまいそうなこと
✖ 助動詞の過去形は過去時制をあらわしている。
ただし、例外があります
could not = couldn’t
これは過去に、実際にすることができなかったことを表します。
☆
助動詞は本動詞だけでは表せない意味を付加しているので、平叙文において、助動詞の次には必ず本動詞がくる。この場合、本動詞は必ず原形をとる。
助動詞 + 動詞の原形
↑
絶対に崩れない黄金コンビ!
現実 | I can’t go to school. |
私は学校へ行くことができません。 | |
願望 | I wish I could go to school. |
学校へ行くことができればいいのになあ。 *助動詞のあとの動詞は常に原形 |
現実 | I don’t have a computer. |
私はコンピューターを持っていない。 | |
願望 | I wish I had a computer. |
私にコンピューターがあったらなあ。 |
願望 | I wish I were with you now. |
今あなたと一緒にいられればなあ。 | |
願望 | I wish there were no discrimination in the world. |
世の中に差別がなければいいのに。 | |
願望 |
I wish it were sunny today. |
今日晴れていればなあ。 |
同じ願望でも実現性があるもの
I hope I can win the next match.
次の試合に勝てたらいいな。
if
「(もし)・・であれば~(する)だろう(に)」と現実とは異なることを言うときは、ifを用いた仮定法で表します。
If + S’ + were ・・, S + 助動詞の過去形 + 動詞の原形
または
(助)動詞の過去形+動詞の原形
ありえる仮定 | If it is sunny tomorrow, I will go on a picnic. *時・条件を表す副詞節では未来のことでも現在形 |
もし明日晴れなら、ピクニックにいくでしょう。 | |
ありえない仮定 | If it were sunny today, I would go on a picnic. |
もし今日晴れていたら、ピクニックに行っただろうに。 |
ありえない仮定 | If I were you, I would ask my family for help. |
もし私があなたなら、家族に助けを求めるでしょう。 |
ありえる仮定 | If you buy a computer, you can surf the internet. |
もしあなたがコンピューターを買うのなら、あなたはネットサーフィンをすることができます。 | |
ありえない仮定 | If you had a computer now, you could surf the internet. |
もし今あなたがコンピューターを持っていれば、あなたはネットサーフィンをすることがでるのになあ。 |
まとめ
仮定法はあり得ない仮定を表現する方法で、動詞あるいは助動詞を過去形にすることにより、現在と距離感をつくることにより表現します。このことが理解できれば覚えやすいと思います。
思考過程は高度になりますので、繰り返し問題を解き、マスターしてください。