中2

比較表現 (3) 不規則変化 ( better – best など )

不規則に変化する比較級・最上級

Ben
Ben
これまで学習してきた比較級・最上級は単語の特徴により、変化するパターンが決まっていました。

そして、今回は特定の形容詞や副詞について、その語特有の変化 ( 不規則に変化 ) するものを学習していきます。

Ben
Ben
数としては次の4つが教科書に載っていますが、中学での中心は better – best です。

表にまとめましたので、確実に覚えましょう。

例文 原級 比較級 最上級
あり

good ( よい、上手な ) [形] better best
well ( よく、上手に ) [副]
(like _ ) very much(とても)
未掲載 many ( 数がたくさんの ) more most
much ( 量がたくさんの )
little ( 量が少しの ) less least
bad ( 悪い ) worse worst

例文

good と well の比較級、最上級

形容詞 good – better – the best 》

[原   級]  Your watch is good.
     あなたの腕時計はよい。

[比較級]  Your watch is better than mine.
     あなたの腕時計は私のよりよい。

[最上級]  Your watch is the best of the four.
     あなたの腕時計は4つの中で一番よい。

副詞 well – better – ( the ) best 》

[原   級]  Linda dances well.
     リンダは上手に踊ります。

[比較級]  Linda dances better than Meg.
     リンダはメグより上手に踊ります。

[最上級]  Linda dances the best in our school.
     リンダは私の学校で一番上手に踊ります。

like を使う比較級、最上級

Ben
Ben
上の表において、likeの原級は very much で、その比較級、最上級は、good・wellと同じ ということであっさりと載せてあります。

ですが、例文を見る前に、何故 like の原級が「very much」となるのかをお話しようと思います。

混乱しそうな方は読み飛ばしで大丈夫です。

Ben
Ben
原級に「とても」の意味を加えるとき, very と muchがよく登場します。そして実は、この2語には使い分けのルールがあるのです。

それは

形容詞・副詞の原級に対しては → very 

very tall (とても背が高い)
very well (とても上手に)

動詞の原級に対しては → much

肯定文・否定文・疑問文それぞれveryとmuchは単独で使えるとされています。

ただそうは言うものの、肯定文-much だけは単独だと非常にかたい表現となり(ネイティブはそのように感じるようです)、その雰囲気を避けるために Tank you very much. のように very much」 とするのがしばしばとなります。

中学で学習する like という動詞の原級の「とても」について考えますと

とても → 好き と like という動詞を「とても」と強調しているので much の登場となるのですが、今お話しした理由から肯定文では like~ very much となり,likeを使った比較級や最上級を考える場合の原級「very much」とするのです。

以上は【like(動詞) のときの原級が very much に帰結する】ことのお話しでした。

動詞 like – better – ( the ) best 》

I like basketball better than volleyball.

私はバレーボールよりもバスケットボールの方が好きです。

I like summer the best of all seasons.

私は全ての季節の中で夏が一番好きです。

Which do you like better, rice or bread?

ごはんとパンではどちらのほうが好きですか。

What fruit do you like the best?

あなたは何の果物が一番好きですか。

≒ What is your favorite fruit?

あなたの一番好きな果物は何ですか。

Ben
Ben
比較級(better)・最上級(the best) をさらに強調する very(ずっと) や much(ずば抜けて) もありますが、中学の範疇を越えますのでここでは扱いません。

【考察】the の省略について考えよう。

中学校で「副詞の最上級には the をつけてもつけなくてもよい。」と教わっているかと思います。余計な情報で頭が混乱すると思われる方は。ここは読み飛ばしてください。常に the をつけていれば中学での学習上は問題ありません。

 
形容詞だ、副詞だ、名詞だ などと文法の細かなことまで中2のこの時期に生徒さんに考えさせると、混乱が生じやすいので「さらりと教えておくことがベストである」との結論づけからそのような教え方になっていると思われます。
 
また、現実にはどのように使われているかといいますと、アメリカでは通常theがついたり、話し言葉では、通例theをつけている人も少なからずのようです。
 
「副詞の最上級にはthe をつけなくてもよい」というのは、ある程度勉強が進んだ方であれば何となく「そうか」と思ってもらえるレベルですので、ここまでにとどめたのだと思います。
 
ただ、その本質は次のようなことなので、theを省略する地域などに行ったときは、思い出していただくのもよいのかもしれません。
 
本質
 
the は名詞が登場したときに冠詞としてつくもの。
 
名詞に付くものと考えると、補語として登場する 形容詞 の最上級には文法的には the は必要ありません。
 
Mt. Fuji is the highest mountain in Japan.
 
Mt. Fuji is the highest in the mountains of Japan.
(↑教えられている形 : highestの次の mountain が省略されていると言われればそれはそれで正解)
 
Mt. Fuji  is  highest  in the mountains of Japan.
  S     V  C(形)
 

見える名詞、見えない名詞の存在がtheを引き寄せているとすれば、その場合は the が必要となりますが、直上3文目のように完全に形容詞と考えている時はtheは必要ないはずですね。ことさら副詞の最上級である場合には the は必要ありませんね。
(そもそも副詞は名詞を修飾しないのだから。)

 
この辺りの微妙なところをオブラートに包んだ結果、「副詞の最上級には the をつけてもつけなくてもよい。」という言い方になるわけです。
 
また、中学では比較対象が存在する最上級をまず習いますが、高校では比較対象のない最上級も習うことになります。この場合には、逆にtheをつけると間違えとなります。
 
なかなか奥が深いですね。
 
 

まとめ

中学の教科書では better – the best 以外も巻末に掲載があり、上の表にも載せましたが、中心はやはり better – the best です。これをまず全力でマスターしましょう。

「副詞の最上級は the を省略してもよい」というお話も長々と書いてしまいましたが、そのことについて何故なのかが問われることはありません。

「混乱しそうだ」と思ったら、読まなかったと思うようにしてくださいね。

ABOUT ME
Benタロサ
サラリーマンを経て、小さな学習塾を開校。英語は日常触れる機会が少ない生徒にとっては、地道な努力が必要とされる教科だと思います。せっかく勉強してもすぐに忘れてしまうことになりかねません。少しでもお役にたてるように、わかりやすさを心掛けて記事を書いていきます。内容はアットランダムな順番になります。少しずつの積み重ねで、ゆくゆくは分厚いサイトになればと夢見ています。