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導入
不定詞(1)の名詞的用法のところで「形式主語」をご紹介しました。(該当部分はコチラ)
今回はこの「形式主語」をもう少し深堀りしていくことと、目的語をとりあえずitで表し、その後のto不定詞で「真の目的語」表現する「形式目的語」を習得していきます。
形式主語構文
to不定詞の名詞用法は、その表現部分が名詞のカタマリとして使われます。ですので、当然主語にもなります。しかし、名詞のカタマリとしてのものが短ければ主語として気にならないのですが、あまり長いと頭でっかちでスタイルがよくなく、かつ読みにくい感じになります。また口語的には、it is とまず始まると、聞く側は「次に重要なことを言うんだ」という注意力が働きますね。形式主語(仮主語)はこのような理由から発生してきたと考えられます。
では、例文を見て体感してみましょう。
まずは短い主語のものを。
To say is one thing and to do is another (thing).
言うことは一つの事で、(実行)することはもう一つの事である。
(言うことと(実行)することは別の事である。)
*この文はandという接続詞で2つの文が1つとになっています。
2つの文の主語は「to say」と「to do」とで、不定詞で作られていますが、短くまとめられていますので、その長さやボリュームが気になるようなことはないと思います。
ではもう1つ見てみましょう。
To obey the rule is everyone’s duty.
ルールに従うことは全ての人の義務です。
*上記例文では主語が4つの単語からなっており、長いと感じ始める人もいらっしゃるかと思います。
そんな時、It isの形式主語を使ってみましょう。
It is everyone’s duty to obey the rule.
スムーズ感がありますね。
この例文を次の段では更に「意味上の主語」も明確に表現することとします。
(再掲:原初のご紹介はコチラ)
形式主語構文では、意味上の主語にはit is の後ろに「for」を使いますが、【その人の性質を表す形容詞】がくる時があります。この場合にはforではなく「of」を使います。forを一般的、ofを特別なケースとしてご紹介します。
一般形
It is a duty for everyone to obey the rule.
みんながルールに従うことは義務だ。
It is a duty〔 for everyone to obey the rule〕.
S V C 〔 (S) (V) (O) 〕
It = to obey the rule
真主語
for everyone
意味上の主語
「意味上の主語」を意識して訳すと「みんながルールに従うことは義務だ。」
「意味上の主語」の性質を表す形容詞のときは「of」
It isの次にくる形容詞がkind(親切な)など、その人の性質を表す語のときは「of」を使います。
It is very kind of you to help me.
手伝ってくださってどうもありがとうございます。
【 人の性質を表す形容詞 】
kind(親切な), good(親切な), nice(親切な), rude(失礼な), brave(勇敢な), clever(賢い), wise(賢明な), foolish(ばかげた), careless(不注意な) など。
前置詞ofのイメージ図を付けておきますね。不細工ですが・・
形式目的語構文
最後に形式目的語のitを学習しましょう。動詞の目的語が長いとき、とりあえずitで表現しておいて後にto不定詞の形で真の目的語を表明する手法です。
ここでは代表して find(過去形found) を使って説明しますが、他にもthink・ makeなどがあります。どこかでまた触れたいと思います。
find(見つける、わかる)の簡単なおさらい
形式目的語を理解する前段階として、find(見つける、わかる)という動詞の使い方の一つをおさらいしましょう。
⦅+(目)+(補)⦆→ find A B「AがBだということがわかる」
これは第5文型ですね。
You will find the book interesting.
あなたはその本が面白いとがわかるでしょう。
*findの目的語はthe book
*interestingはC(補語)で形容詞
もう一つ
I found the garden full of flowers.
その庭は花でいっぱいになっていた。
*faundの目的語はthe garden
*fullはC(補語)で形容詞
find it 形容詞 + to不定詞
前段の例文における動詞の目的語は「the book」「the garden」であり、短く明快です。
しかし、動詞を使って「~すること」といった目的語にしたいこともあります。その際にはitという形式目的語をとりあえず使い、最後の方でto不定詞によって真の目的語を表現することにすればスマート感がでますね。
次の例文で確認してみましょう。
You will find it very easy to read this story in English.
形式目的語 真の目的語
あなたは英語でこの物語を読むことはとてもやさしいとわかるだろう。
再掲
You will find it very easy 〔 to read this story in English 〕.
S V O C (V) (O)
〔 名 詞 用 法 〕
まとめ
いかがでしたか。今日は不定詞(3)として名詞用法を含んだ表現としての形式主語・形式目的語を学習してきました。
「長い主語や目的語は後ろで」という発想からできた表現でしたね。意味上の主語の性質を表す形容詞が目的語としてきたときは「of」を使って表現しましょう。
形式目的語はfind(found)を使って説明しましたので、よく理解しておいてください。
それではまたお会いしましょう。