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タフ構文で理解してみる(中3アドバンス)
この度中学の教科書に「タフ構文」の登場を発見しました。中学生の方は授業でそんなこと聞かないと思いますが、高校の先回りをして「タフ構文」として確認しておく方が、より理解できるかと思いますので目を通してみてください。
難しいと感じる人は無理せず、読み飛ばして大丈夫です。
高校生の方には別稿でパート2と3で全容を説明していますので、頑張って読み進めてください。
では始めます。
まず、to 不定詞を使って主語を表す時があります。しかし、その方法は主語が長くなってしまいがちでスマートでなくなります。そんな時、形式主語のitを使い、主語にしようとしたto不定詞の部分は、文の後ろへ持っていくとスッキリしますね。後ろに持って行ったこのカタマリを、「形式主語のit」に対して「真主語」と呼びます。
またeasyという難易を表す形容詞は基本、It主語(形式主語)を好みます。
従って、次の構文が登場するようになるのが自然です。
↓
It is easy to do + (意味上の目的語)
S V C (V) - (O)
*(O)はto不定詞の「意味上の目的語」です。
そして、「真主語」のto不定詞のカタマリ中には 上に示したように、(O)(意味上の目的語) を持つ場合があります。このとき、その「意味上の目的語」を文の先頭に出し、主語として書き換えることができます。
It is easy to read this book.
↓
This book is easy to read
そのようにして書き換えられた文を、通称「タフ構文」と呼びます。(タフの由来は難易を表す形容詞の中にtough(難しい)というものがあり、これが論議のキッカケとなったことによるようです。)
★イメージ
「能動態」の文を → 「受動態の文」に書き換える時、目的語を主語に移動させるのと似ていますね。
それでは教科書の記載を見ていきましょう。
はじめに、中学的説明 で例文を見てみよう
まず、2つの文 を見てみよう。
❶ Haiku in English are easy to write.
英語による俳句は書くのが容易だ。
❷ Haiku in English are easy to read.
英語による俳句は読むのが容易だ。
———-
ポイント整理
* easy to do 「~するのは簡単だ」
(中学では文法を意識させず、「このような語の組み合わせ」で「こんな意味の表現になるよ」っていう覚え方をさせることが多いです。丸吞みも学習方法の一つです。)
*「Haiku」は英語にとって外来語です。一般に外来語は、英語圏では定着するまでそのまま単複同形で表されます。上記例文では「A haiku」となっていないので、複数形として表現されている。→ be動詞は「are」となる。
上述❶❷を「not only・・,but also~」 で1文にしよう。
❸ Haiku in English are not only easy to write, but also easy to read.
英語による俳句は書くのが容易というだけでなく、読むのも容易だ。
———-
ポイント整理
* not only・・,but also ~「・・だけでなく~も(また)」
「タフ構文」なんてモノは全く意識していませんが、長い文が出来上がりました!
It主語も意識しませんでした。
高校的説明
to 不定詞の名詞用法を使った主語
❹ To write haiku in English is easy.
英語で俳句を書くことは容易である。
長い主語には形式主語を(❺,❻)
❹は主語が長いので形式主語Itを使い、「真主語」として後ろへ持っていく。
❺ It is easy to write haiku in English.
S V C (V) – (O) 真主語はM(=修飾語)
*ちなみに、❺文に「意味上の主語」(S)を加えたければ次のようになる。
❻ It is easy for us to write haiku in English.
S V C (S) - (V) – (O) 真主語はM(=修飾語) 第2文型
私たちが英語で俳句を書くことは容易である。
↑
意味上の主語であることを意識した訳し方
「私たちにとって」をメインに主張したいときはこの訳し方でもOK。
形容詞 + to (他V)(O) ; の(O)を主語へ (=タフ構文)
戻って、
❺の文の(O):意味上の目的語=「haiku in English」を主語にした文を作ってみよう。
(❺再掲)
It is easy to write haiku in English.
S V C (V) – (O) 真主語=M
*書き直す前の「to不定詞」は「名詞用法」「~すること」です。
↓ 移動開始
➐ Haiku in English are easy to write. ←「タフ構文」の完成
S V C
*書き換え後の「to不定詞」は「副詞用法」(形容詞のeasyを修飾している)です。
用法が「名詞用法」から → 「副詞用法」へ変わりました!
Oが主語に移動する例を見て安心しよう
後ろにあった名詞が主語に移動することはめずらしいことではありません。
次の例を見て安心しましょう。
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S V C
↓
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S V C
Many people speak English.
S V O
↓
English is spoken by many people.(受動態)
S V M
👆
タフ構文は[ 能動態 → 受動態 ]の発想とにていますね。
最後に、タフ構文2つをnot only ,but also で1文にしよう
再掲➐
➐ Haiku in English are easy to write.
➐’ Haiku in English are easy to read.
↓
❽ Haiku in English are not only easy to write, but also easy to read.
英語による俳句は書くのが容易というだけでなく、読むのも容易だ。
(*文の後半はbut という接続詞で文と文がつながれています。)
❽は 中学の❸文と同じになりました!
まとめ
いかがでしたか? ちょっと難しかったかと思います。
今回は中学的な理解を「タフ構文」という高校の角度で考えることをしてみました。
中学生の方は、無意識に「タフ構文」を作っていることになりますが、もう少し理論的なバックボーンが知りたい方には理解が深まるのではないかと思い、中学と高校の二段階的な説明を行いました。
始めにも言いましたが、難しいと感じた中学の方は深入りしなくて大丈夫です。英語に慣れるにつれてわかってくるようになります。
大学を目指す高校生の方は今稿を入門編として、是非理解しておいてください。
それではまた。
パート2、パート3 でお会いしましょう。