目的語を2つとる動詞の受動態への書き換え
どんな動詞がある?
(1)編では受動態の理解を優先するため、目的語が1つだけ登場するもの(S + V + O ・・ 第3文型)を例にして説明してきました。
振り返りたい人は次の2つをどうぞ
【 受動態 ( 受け身 ) 】の文形 (1) / (中3,文法)
【受動態】の文形 (2):by以外 の 前置詞 を使った表現
今回はさらに進めて、目的語を2つとる形を説明していきます。
目的語を2つとる動詞(V)は次のものがあります。
give, sell, send, show, teach, tell ・・
登場する形はgiveで説明しますと次のようになります。
give + 人(O1) + もの(O2)
文型で表すと次のとおりです。
S + V + O1 + O2 ・・ 第4文型
書き換えの 例文
目的語が2つある動詞の例文
My grandfather gave me(O1) this watch(O2).
祖父は私にこの腕時計をくれました。
*(O1)に代名詞がくる場合、その形は「目的格」になることに注意しましょう。
(O1)を主語にして受身文へと書き換えることができます。
I was given this watch by my grandfather.
また、(O2)を主語にして受身文へと書き換えることもできます。
This watch was given to me by my grandfather.
能動態から受動態へ書き換える場合のポイント
➡「能動態の動詞の目的語を主語にする書き換えになる」ことを認識しよう。
知覚動詞・使役動詞の第5文型を受動態へ (高校内容)
❶ Kota saw Saki go out.
S V O C
光太は咲が出かけるのを見ました。
⇓
この文を Saki を主語にして書き換えなさい。
⇓
❷ Saki was seen to go out by Kota.
S V C
咲は出かけるのを光太に見られました。
【 解説 】
❶ sawは知覚動詞です。知覚動詞で第5文型をとる時、C(補語)は原形不定詞の形をとります。
❷ ❶の目的語の咲を主語にして書き換えるとき、原形不定詞だった go out は to go outとto不定詞へと変わります。
☆
☆
<to不定詞へと変わる理由>
❷の文でもそのまま原形不定詞だとすると、「 was seen go out」と動詞が連続し、意味が判別しづらくなります。はっきりさせるためにはto不定詞の形にする。これはネイティブにとって必然の流れだったのでしょう。
S+⦅知覚・使役動詞⦆+ O + 原形不定詞
原形不定詞の場所に「過去分詞」など別の形がくることもあります。
目的語(O)の内容や文の意味によって使い分けることになります。
*各論は別の機会にまとめます。
今回は内容をざっくり理解することを目的に記述しています。
まとめ
今回は目的語を主語にする、すなわち「受動態文への書き換え」をテーマとして見てきました。
〔第4文型→受動態〕は、第4文型の目的語は2つあるので、2種類の主語の文へと書き換えをすることができることを理解しましょう。
〔第5文型→受動態〕は、能動文(第5文型)が知覚動詞・使役動詞( make, have, let ) だった場合、原形不定詞がto不定詞に変わることを覚えておきましょう。
(これだけの変化ではなく、各動詞の語法一つひとつ学ぶ必要があります。)
それでは。