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steal と rob の使い分けを理解する
[コソ泥] steal [モノ] from [被害者]
S V O 第3文型
[強盗] rob [被害者] of [モノ]
S V O 第3文型
覚えるヒント
stealの主語は「コソ泥」 → (こっそり)盗む → 被害者本人は無事なので、聞いた人は「何を盗られたか」にまず興味(心配)がいく。
A「あれ、無い。盗られた!」 B「何を盗られたの!?」= 目的語
steal – stole – stolen (不規則変化)
★★★
robは強奪する → 聞いた人は、モノよりも「被害者が誰か(どこの金融機関か)」にまず興味(心配)がいく。
A「銀行強盗があったんだって!」 B「どこの銀行で!?」=目的語
robは動作の流れも時系列になっている。
強盗が → 銀行を襲い → (分離のof) 窓口金を強奪した。
rob – robbed – robbed(規則変化)
基本文を見てみよう
基本文とその受身文
【基本文】❶(steal) ❷(rob)
❶ The thief stole some jewels from her.
泥棒は彼女から宝石を盗んだ。
❷ Three men robbed a passer-by of all his possessions.
三人の男たちが通行人から所持品を全て奪った。
【基本文 → 受身文】❸❹
受身文は基本文の動詞の目的語を主語(S)にしたときの表現です。
❸⦅❶ (steal)の受身 ⦆
Some jewels were stolen from her by the thief.
宝石は彼女から泥棒によって盗まれた。
❹⦅❷ (rob)の受身 ⦆
A passer-by was robbed of all his possessions (by three men).
3人の男たちによって通行人は全ての所有物を奪われた。
被害者を主語にしてみよう
❶の文の被害者は❶文の動詞の目的語ではない(修飾語である。更に詳しく言えば、前置詞from の目的語。)。 通常の受身文でダメなので次のように表現します。
❺ She had some jewels stolen by the thief.
———————————
⦅have(has) + [目] + done; 受身・被害⦆
「モノ(目)がdoされる状態を持つ」と解せばよい。
———————————
✖ She was stolen some jewels. とはいわない(日本語感覚ではやりがち)
彼女は「拉致された」のか? 何だか分からない文になる。
———————————
❻ A passer-by was robbed of all his possessions (by three men).
上記受身文❹がそのまま答え
被害物を主語にしてみよう
➐Some jewels were stolen from her by the thief.
宝石は彼女から泥棒によって盗まれた。
*上記受身文❸がそのまま答え
<参考程度でよい>
❽ All his possessions were robbed from a passer-by (by three men).
*直接の語法問題としては出題されにくいので参考まで。
(モノの切り離しのofではなくfrom)
*rob of のコンビを問わずして fromが正解の問題を出題するのはピント外れだから。
問題を解いてみよう
答えは右端の V で開いてね。 戻しはもう一度押す。
【1】文法的に正しいものはどれですか
① My friend was stolen of all his money.
② All the money was stolen of my friend.
③ My friend was robbed of all his money.
④ All the money was robbed of my friend.
【1】正解③
解説
受身文にする前の状態を考えること
① stealの目的語はモノがくるので①の主語はおかしい。
❺を参照
② of ではなく from が使ってあれば正解と言えた。
➐を参照
③が正解
問題文は次の文の受け身の形です。
(S:強盗) robbed my friend of all his money.
問題文の訳 : 私の友達は全てのお金を強奪された。
④ rob は被害者が目的語にくるので、その受身文としてはおかしい。
❽を参照
of ではなく from が使ってあれば正解と言えた。
☺
【2】適切なものを選びなさい
The poor old woman ( )again.
① get robbed her bag
② had her bag stolen
③ let her bag to be robbed
④ was stolen her bag
【2】正解②
解説
かわいそうに、そのお年寄りの女性はまたカバンを盗まれた。
(S:泥棒) stole her bag from the poor old woman again. の受け身文と考える。
⦅have(has) + [目] + done;受身・被害⦆
「モノ(目)がdoされる状態を持つ」
例文❺を参照
☺
【3】適切なものを選びなさい
I was ( ) my wallet.
① stolen from
② robbed of
③ stolen of
④ robbed from
【3】正解②
解説
私は財布を強奪された。
問題文の主語はI=人なので、目的語に人がくるのはrobでした。
つまり能動態の文は
強盗 robbed me of my wallet.
問題文は上記文の受動態だと考えればよい。
⇓
I was robbed of my wallet ( by 強盗 ).
まとめ
いかがだったでしょうか。stealとrobはそれぞれ個性がありますね。
大学入試においては受動態文として問われることが多いです。stealとrobに限らず、受動態の問題に出くわした場合、「受動態にする前の文(=能動態)は何であったか」を一度考えてみましょう。そうすれば答えが見えてきます。
ところで、こっそり盗まれたり、強盗されたりの表現は、使う機会が無いに越したことはありません。いずれ古典表現になる日が来るといいですね。