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「タフ構文」その2 | 概要 と to不定詞の「意味上の目的語」

はじめに

前の稿で中学での表現を題材にしながら、タフ構文を使って違う角度から研究してみました。

この稿では高校生諸君を対象に、要点を一通り説明してきたいと思います。

概要を説明した後に〔形容詞+「to 他V (O)」〕の具体例を説明していきます。

〔形容詞+ to V + [ 前置詞+名詞 ] 〕はパート3で具体的説明を行いますので、この稿では「形式目的語」まで にとどめます。

タフ構文とは

形容詞とto不定詞の結びつく形の1つに「~するのが難しい」という型があります。具体的には「It is hard + to不定詞」の形のもののことです。

このような「It主語をとることを好む主な形容詞」は次の通りである。

「It」を好む理由は「人を主語に持ってきたときに、難しいニュアンスになったり、馴染まなかったりすることが多い」からです。

形式主語「It」を好む 主な形容詞

【難易】easy (易しい), difficult, hard (難しい), tough (困難な)
【可能性】possible (可能な), impossible (不可能な)
【危険】 dangerous (危険な) 
【快・不快】nice (快適な), convenient (便利な), pleasant (楽しい), unpleasant (不愉快な)

———-
<理由>人が主語のとき、馴染まないことが多いので

「It is hard + to不定詞」型の形に落ち着く理由はもう一つあります。それはto 不定詞を使った主語は長くなってしまうので、後ろに置いた方がスマートだからというものです。

後ろに持って行ったこの部分を「真主語」と呼びます。
次に「真主語」の構成を見ていきましょう。

「真主語」の構成は、toに続く動詞が「動詞か」「動詞か」によって注意が分かれます。

❶ toに続く動詞が「動詞」の場合
to以下の形は「to 他V (O)となります。
➡そして、この中の ( O ) を文の主語へと移動させて作った文を通称「タフ構文」と呼びます。
( Oに( )を付して(O)と表すのは文型判断上の目的語ではなく、意味上の目的語ということを意味しています。)

❷ toに続く動詞が「動詞」の場合
「to V + [ 前置詞+名詞 ] 」 となるものがあります。
➡そして、この前置詞
目的語(直後の名詞のこと) を文の主語へと移動させて作った文、これも「タフ構文」です。

<❶の例>  ・・ ❷はパート3で

It is difficult to read this book.

⇓ タフ構文へ

This book
is difficult to read.

通称~ [ タフ構文 ]

・形式主語Itを使い、後ろに移動させた真主語としての to不定詞の中の「動詞の目的語」または「前置詞の目的語」を文頭に出し、主語として書き換えた文。

・限定された形容詞のもと発生する。

It主語の文 ➡ タフ構文 への書き換えの際には、上掲一覧で紹介した possibleは対象外 となります。

ミケ
ミケ
「タフ」構文にpossible はインポシブルにゃ

 

意味上の主語の付加

先ほどの例文を再掲します。

It is difficult to read this book.

この文に「~にとって」という意味を付け加えます。

It is difficult <(for us)>< to read this book>.
S  V      C               (S)           (V)     (C)

for usの us は意味上の主語ですのでこれを意識すると
我々がこの本を読むのは難しい。

意味上の主語に引きずられて、weを主語にした文をウッカリ作ってしまわないように注意しましょう。

(✖) We are difficult to read this book.
 ↑
和訳できない。


■toに続く動詞が「動詞」の場合・・まとめ

(〇) It is hard for us to please him. ・・「for 人」を追加
    我々が彼を喜ばすのは難しい。

(✖) We are hard to please him. ・・日本語に引きずられた悪い例

(〇) It is hard to please him. ・・「for us」は一般的な意味なので省略

(〇) He is hard to please . ・・ [ タフ構文 ]
   彼は気難しい人だ。

———-

easy (易しい), difficult, hard (難しい), tough (困難な)
【可能性】possible (可能な), impossible (不可能な)
【危険】 dangerous (危険な) 
【快・不快】nice (快適な), convenient (便利な), pleasant (楽しい), unpleasant (不愉快な)

その他注意すべき形容詞

possible はタフ構文の対象外でした。

また、important(重要な)necessary(必要な) も形式主語Itをとることがよくあります。しかし、この2つもタフ構文をつくることはできません。

タフ構文を作れない形容詞

possible (可能な), important(重要な)necessary(必要な)

まとめ

今回は「タフ構文」の概要と「to不定詞の意味上の目的語」が主語に廻るケースについて学んできました。

意味上の主語 (for 人) を タフ構文の主語にすることはできません ので、早とちりに注意しましょう。

必ずItの文を想定してから「タフ構文」をつくれば間違えありませんので、この手順をお勧めします。

 

それではまた。

ABOUT ME
Benタロサ
サラリーマンを経て、小さな学習塾を開校。英語は日常触れる機会が少ない生徒にとっては、地道な努力が必要とされる教科だと思います。せっかく勉強してもすぐに忘れてしまうことになりかねません。少しでもお役にたてるように、わかりやすさを心掛けて記事を書いていきます。内容はアットランダムな順番になります。少しずつの積み重ねで、ゆくゆくは分厚いサイトになればと夢見ています。